• テキストサイズ

青春のノスタルジー

第6章 キノコ



彼は、私が急いで作った、オムライスを無言で食べていた。
よっぽど、お腹が空いてたのか、スゴイ勢いで食べ続けていた。

「あのぉ、お口にあいますか?」

私は、声をかけてみた。

渋谷「朝から何にも食ってなかったから、何でも旨い!」

おい!他に言う事はないのか!

私は少しムッとした。

渋谷「それよりさぁ、お前は俺の事を知っとるん?」

「テレビでは見てます...」

その言葉に、彼の手は止まった。

渋谷「飯には、キノコをいれるなよ!」

私を強く睨んだ!

「えっ、どういう事ですか?」

私は、焦って聞いた。

渋谷「やから、キノコを飯にいれるな!俺、本気で嫌いやから!」

だから、頼み方が間違えてるから...
私は貴方の彼女でもお母さんでもないんだけどなぁ...

「はぁ、分かりました...」

呆れながら答える私を見ると、彼は突然子供のような笑顔で私に笑ってくれた。

渋谷「ごちそうさん、めっさ旨かったわ!」

えっ、その笑顔は反則ですよ、渋谷さん!

私の顔が一瞬で赤くなるのが分かった。
やばい、今の私の気持ちが彼にバレてしまう!
また、何か言われる、バカにされる!

焦る私を彼は見ると、少し笑った。

渋谷「風邪か、顔が赤いで?」

いやいや、犯人は貴方ですけど....
私はそう思いながら、顔を隠した。

「大丈夫です、違いますから?」

渋谷「ならええんやけど、風邪やったら俺に移さんといてなぁ、唄われんなったら困るから」

おーーい!!!
この男は何なんだよ!!!

「すいません、気を付けます」

怒りながら、私は言った。
その瞬間に彼の手が私の鼻を摘まんだ!

「いたぁーーーい!」

渋谷「謝ったら、こうや!」

嬉しそうに彼は私の鼻を詰まんでいた。


絶対に、楽しんでる!
私で遊んでる、そう思った瞬間に、私のスマホに通知が入った音がした。

渋谷「見んの?」

動けない私に、彼は言った。

「親友からなんです....」

渋谷「あぁ....」

察知したのか、彼は口をつぐんだ。

重い沈黙が流れた。

親友は、今さら何があるんだろ...

渋谷「俺、何も知らんけど、早く分かって良かったんちゃうん?そんなヤツと、ずっと一緒におらんで良かったやん?」

彼の突然の言葉に驚いたが私は笑顔で

「そうですね...」

と答えていた。

/ 26ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp