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青春のノスタルジー

第4章 頼み方


渋谷すばる は、私の部屋を
ずっと見回していた。
その様子に、少し恥ずかしくなってきた。

「あの、今 お茶入れるんで座って下さい」

彼は、静かに近くにあるイスに座った。

渋谷「あんた、勇気あるな」

彼の突然の言葉に驚いた。

「えっ、何でですか?」

私はお茶を入れながら聞いた。

渋谷「やて、テレビに出てるヤツを、
部屋に連れ込んでるから」

あぁ、やっぱり 私は不味い事をしたんだ...
彼にもそう思われてるんだ....

少し私の心は落ちていた。

「いや、その、まぁ困ってたみたいなので...」

私は必死で取り繕っていた。

渋谷「そやけどやで、初めて会ったヤツになぁ...」

そう言うと、彼の目が何かに止まった。
私もその目線の先を追ってみた。

私と彼氏の写真だった。

渋谷「男おるんや、俺 おったら誤解されるんで、お茶飲んだら出て行くわ」

彼は少し笑いながら、私に告げた。

その言葉に私は急に現実に引き戻された

「今日、別れたんです。私の親友と出来ちゃったみたいで....」

そう私は苦笑いしながら言い、写真を伏せに行った。

渋谷「....そうなんや、すまん..」

渋谷の顔が暗くなったのを、私は見てしまった。
その瞬間、私は彼の鼻を摘まんだ。

彼は何が起こったのかと、キョトンとした顔で私を見た。

「謝ったら、こうでしたよねぇ?」

渋谷「あ、あほぉ、それはお前にだけや!!!!」

彼は慌てて私の手を払いながら、笑った。

つられて私も笑っていた。

すると、渋谷の顔が真剣になった。

私は何があるのかと、身構えた。

渋谷「頼む、しばらく俺をここに置いてくれ!」

「えぇぇぇ!!!!」

その言葉に状況が飲み込めないでいる私に彼は

渋谷「ペチャパイのお前は絶対に襲えへんから、頼む」

えっ、今 なんて?軽く悪口を言われてない?

「あ、あのぉ、それなんですか?ペチャパイで悪かったですね!」

私は少し頭にきていた。

渋谷「まぁ、冗談や!その方が安心するかと思ってな」

「いやいや、頼み方 間違ってますから...」

呆れる私に、彼は笑顔で

渋谷「ほんなら、よろしく頼むな」

勝手に同居を決めてしまったようだ。
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