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青春のノスタルジー

第3章 鼻


彼は黙って歩き続けた。
どこへ行くわけでもなく、公園の中を...
私は、後ろを必死で着いて歩いていた。

「あの、行くとこなかったら、どうするんですか?」

私の言葉に、彼は振り向いた。

渋谷「どうしょう...何も考えんと逃げてもうたから」

かなりの無計画に、私はあぜんとしていた。
しかし、恋人と親友をいっぺんに無くした私の頭は少しおかしくなってたのかも知れない...

「私の部屋に来ますか?」

彼の顔つきが変わった。

あっ、私はかなりの不味い事を言ったんだ。
かなりのはしたない事を....
なんて、軽い女発言してしまった。

私は、焦って身体ごとバタバタしながら

「いやぁ、あの、そのですね、もし、良かったらって事ですよ、外は寒いですし、風邪引いたら大変ですしね、それだけです!」

私は、繕うの必死だった。
その姿を見た彼は

渋谷「ふはっ、ありがとうなぁ」

微笑みながら言ってくれた。

「いえ、本当にすいません」

この時に私は、自分の発言には気を付けようと、心に決めました。

渋谷「あんた、さっきから謝ってばっかやな」

そう言って近寄って来た。
そして、私の鼻を思いっきり握った。

「痛い!!!!」

渋谷「これから、謝ったらこれな」

悪そうな微笑みで言った。

「えっ、嘘...」

痛い鼻を抑えながら、私は驚いていた。

渋谷「ほんなら行くで」

彼は身体を向き直し歩き出した。

「えっ、どこに?」

焦りながら着いて行く。

渋谷「お前家!」

「えっ?」

渋谷「お前、来いって言ったやん?」

「はい、でも....」

渋谷「なんやねん、今さらあかんのか?」

「いえ、方向が反対です....」

彼の足がピタッと止まった。

渋谷「お前、早よ言えや!!!!」

彼は怒った顔で振り向いた。

「あっ、ごめんなさい」

彼の顔に驚き、私は頭を下げた。

その途端に彼は、思いっきり私の鼻を摘まんだ。

「いたーっ」

涙目になる私に彼は笑っていた。

渋谷「謝るなって言ったやろが!ほら、早く案内しろよ!

そう言うと、彼は反対方向に歩いて行った。
私の鼻は無事でいられるのか、心配になっていた。
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