第4章 アイツの名前は流川楓
三浦渚、湘北高校二年生。
早朝、いつものようにひと気のない公園で
シュート練習をしていたら、人に見られていた!
この公園はゴールもあるので、バスケ練習をするのにうってつけ。
人気もあるのでこんな時間でもないと使えない。
だからいつも早朝に練習をしていた。
なのに、この日は運が悪く、人に見られていた。
相手はは割と身長の高い男子だった。
バスケ経験者だろうか、視線が合った瞬間、怖いと思った。
気がついたら全速力で逃げていた。
―――
『渚、どうしたの?顔色悪いよ』
教室でクラスメイトに心配される。
『えっ、な、なんでもないよ、大丈夫!』
バスケをやっているのは最初はクラスメイトにも秘密にしていたが、
体育の授業でバスケがあった為、簡単にバレてしまった。
昔から恥ずかしがり屋で友達もそんなにいなかった。
そんな私は家にあったバスケットボールで遊ぶのが好きだった。
最初はドリブルをしたり、ボールハンドリングをテレビの見よう見真似でやっていただけだったのに、
気付いたら自分でも驚くくらい夢中になっていた。
公園で楽しそうにバスケをしている人たちを見ると、羨ましかったが
その輪の中に入るのは私のコミュ力では到底無理だった。
だけど、公園にあるゴールにどうしてもシュートを打ってみたくて、
早朝に公園に行ってみることにした。
早朝の公園は静かでドリブルすると、ボールが跳ねる音だけが響いた。
毎日ここに通うことで、シュートもだいぶ上手くなったし、なによりもっとバスケを好きになれた。