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湘北高校でつかまえて【SLAM DUNK】

第3章 森のくまさん


『ミッチーィィ!!』

その日の部活中、桜木がものすごい勢いで三井の元へと走ってきた。

『例のバスケ少女と思しき女子を発見した!!』

『マジかよ!!』

『おう!二年の先輩だ!!髪は黒髪だったし、
聞き込みでバスケが上手いという事も発覚した!!』

『んで、その子の名前は』

三井がそこまで言った所で、桜木と三井に赤木のゲンコツが落ちた。

『うがっ!!』 『いてぇ!!』

『今は部活中だぞ!!馬鹿たれ!!』


―――


部活終了後、更衣室で着替えながらヒソヒソと話す三井と桜木。

『それで…その子の名前は…』

『………忘れた』

『こんの…アホ桜木―――!!!』

三井が両手をグーにして、桜木の頭をゴリゴリする。

『いだっ!!いだだだだっ!!大丈夫だっ!!クラスは覚えてるから!!』

『全く…桜木が馬鹿なのを忘れていた』

三井が桜木をゴリゴリから解放してフゥと溜息をつく。

『ミッチー…案外いい趣味してるな』

桜木が頭をさすりながら、ニヤリと笑う。

『バーカ、まだその子とは決まってねぇだろうが』

そう言いつつも嬉しそうな三井。
明日、彼女に会いに行こうと心に決めた。


―――


次の日の昼休み、三井は桜木が言っていた二年一組の教室前に来ていた。
教室内を見渡すが、それらしき女子はいなかった。

『(やっぱり桜木に期待した俺が馬鹿だった…)』

三井がガックリ項垂れて踵を返すと、廊下の5メートルほど先から
一人の女子が歩いてくるのが見えた。

その女子はまさしく例の少女だった。
あの時と違い、髪は後ろで束ねていたが、
紛れもなくあの時見た少女だ。

するとその少女もこちらに気がついたようで、
あの時の様にお互い視線がぶつかり合う。

そしてやはりあの時のように少女は、

逃げた。

『あっ!!ま、待て!!』

三井は逃がしてたまるかと少女を追う。
少女は階段を降り、渡り廊下を走る。
相手が女子だから簡単に追いつけると思っていたが考えが甘かった。
少女の逃げ足は尋常ではなく、人混みを器用にすり抜けていく。

『頼むから待ってくれ!!』

少女はたまにチラリとこちらを見るが、
一向に止まってくれる気配はない。

『(何で逃げるんだ……せっかく見つけたのに…)』

ゼェゼェと呼吸しながら、自分の体力のなさを恨む三井だった。


続く
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