第17章 ちょっとドキッとしちゃうじゃん
『なんか、寝込んでる時って妙に寂しくなるんですよね…
だから来てくれて嬉しいです!』
渚がまだ頬を赤らめながら笑う。
パジャマ姿ということもあり、三井にとっては
本当に来て良かったと思うばかりであった。
『楓くんは部活来てました?』
『ああ、来てたよ、なんかボーッとしてたけどな』
『風邪うつってなかったらいいんですけど』
『(また流川の話か…)』
渚が流川の話ばかりするので、少し面白くない三井。
とっさに話題を変えようとする。
『腹減ってねぇか?いろいろ買ってきたんだけどよ』
三井がスーパーの袋を探る。
『あっ!プリン!』
渚がプリンを見た瞬間、目を輝かせた。
『食うか?』
『はいっ!』
渚が無邪気に笑った。
『(やべーな…可愛すぎるだろ…)』
プリンを頬張る渚を、ジッと見る三井。
『……あの』
『ん?』
『そんなに見られると…その…なんか恥ずかしいです…』
『えっ!?あ、ああわりぃ!!』
三井が慌ててそっぽを向く。
『明日は来れそうか?』
『はい、もう全然大丈夫です!
三井先輩(のプリン)のお陰ですっ!』
『(なんなんだ…そんなこと言われたら勘違いするだろ…!!)』
これ以上ここにいたらどうにかなってしまいそうな三井は、
今日はそろそろ帰る事にした。
続く