第15章 会えて良かった
『三井先輩、あの…』
『どうした?』
部活終了後、渚が三井に恐る恐る話しかける。
『先輩が良かったらでいいんですけど…あの…
この後、少しだけ練習付き合って頂けませんか?』
渚が申し訳なさそうにオドオド話す。
『す、スイマセン!練習後で疲れてますよね…?』
『全然構わねぇよ、んじゃこの後ここで少し練習してくか』
『ありがとうございますっ!』
渚は三井にペコペコと頭を下げまくった。
『(三浦が俺を頼ってる!流川ではなくこの俺を!)』
ひっそりガッツポーズを取る三井。
そしてそれを流川がチラッと横目で見ていた。
―――
部員たちが帰って、人が疎らになってきた所で、
三井と渚がコートに立つ。
『じゃー、この前みたいに1on1やってみるか』
『はいっ!お願いします!』
『お前からオフェンスな』
そう言うと三井が渚にボールを投げて渡す。
渚がそれを受け取るとドリブルする。
『お、あいつらまだ残ってたのか』
着替えを済ませて帰ろうとしていた赤木と木暮が立ち止った。
『さぁ、来いっ!』
『い、いきますっ!』
渚はギュッと目をつぶり、がむしゃらに三井の方へと向かって行く。
バシッ
渚がドリブルしたボールはいとも簡単に三井の手によって弾かれた。
だが、渚も負けじと弾かれたボールを拾い、もう一度挑む。
『(こいつやっぱり…)』