第1章 早朝シュートの少女
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『なぁ宮城ー!』
『うわっ!まだ言ってんすか!三井さん!』
部活終了後、すぐさま宮城の元へ行く三井。
『三井さんって意外と女々しいんすね…』
『なっ!なんだと!!お前だって毎日、
アヤちゃんアヤちゃんって女々しいじゃねーか!』
『それは今関係ねーじゃねーすか!!とにかく!!
俺はそんな子、全く心当たりないっすから!じゃっ!』
宮城はバッグを肩にかけてそそくさと帰ってしまった。
『くそッ…!!薄情な奴め…!!』
三井がハァと深い溜息をつくと、後ろから声がした。
『どうした三井、今日は調子が悪かったみたいだが』
声の主はゴリこと、赤木キャプテンだった。
『いや…まあ、いろいろあってな…』
『悩みなら俺が聞くぞ』
三井は最初は渋っていたが、頼みの綱の宮城に見放され、当てもなかった為、
ダメ元で赤木に話すことにした。
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『…という訳なんだ』
『…ほう』
赤木は顎に手を当てて、考える仕草をする。
『その女子は本当にこの学校の生徒なのか?』
『ああ、間違いねーよ、湘北のジャージ着てたし』
『そうか…ところでお前、もしその女子を見つけたらどうするつもりなんだ?』
三井がギクリという擬音と共にぎこちなくなる。
『あ…ああ、そいつのシュートフォームがめちゃくちゃ綺麗だったからな!
何か参考にならねーかなと!!』
三井が異常に焦りながら出まかせを並べる。
『む…そうか、少なくとも三年には心当たりがないな…』
『そうか…』
その少女の手掛かりは多少は絞られたが、やはりあまり進展はないまま一日が終った。
続く