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湘北高校でつかまえて【SLAM DUNK】

第10章 変なTシャツを着ている人に悪い人はいない


『みーやーぎィー!!』

『なんすかー、いいじゃないっすか、ちょっとくらいー』

宮城が渚の手を握ったまま振り返る。

『触りすぎだ!!』

そう言うと三井は渚から宮城をべりっと剥がした。

『わりぃな、このバカが』

『いえ…』

『なんすかー!三井さん羨ましいだけでしょ?』

『う・る・せ・え!!』

体育館の隅で騒いでいるのを聞きつけて、赤木と木暮と彩子がやって来た。

『なんの騒ぎだ』

『あ、赤木…とetc』

『アヤちゃーん!』

宮城はすぐさま彩子の元へと飛んで行ってしまった。
赤木の威圧感に怯えているようで、渚は委縮してしまっている。

『赤木!こいつがこの前言ってた例の…』

『ああ!例の女子か!』

三井が赤木に渚を紹介すると、赤木は思い出したようにポンと手のひらを叩く。

『(えっ!?”例の”ってなに!?)』

『三井から話は聞いていた。
バスケが上手いそうだな!』

『い、いえ!!そんな滅相もない!!
私なんかまだまだで…!!』

渚は必死に目の前で手を振り、否定する。

『…あの…でも……バスケは大好きです』

『そうそう!そうなのよー!
この子、バスケ大好きなのに、超恥しがり屋だからさー!』

いつの間にか彩子が宮城から逃れ、渚をぎゅっと抱き締める。

『あ、彩ちゃん…!!』

『そうなのか、確かにこの学校は女子バスケ部はないしな…』

木暮も顎に手を当ててうんうんと頷く。
すると渚が下を向いてプルプルと小刻みに震えていた。

『…どうしたの?』

『あの………そのTシャツ、可愛いですね…』

どうやら渚は木暮のTシャツを見て笑いを堪えているようだった。
ちなみに今日の木暮のTシャツは、ダラダラしている熊の絵柄だった。

『ああ…これか?』

木暮も照れくさそうに困ったように笑った。

『それで赤木先輩?相談があるんですよねぇ~』
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