第9章 燃えろ炎の男
『うおぉぉぉおぉぉっ!なんか燃えてきたー!!』
三井の走るペースが速くなる。
『…む、三井はやけに元気だな』
『愛の力っすよ、旦那』
宮城が赤木にそう言ったが、赤木はさっぱりわからんという表情をした。
その後、本格的に練習を開始し、渚は最後までその練習風景をじっくりと見ていた。
『よし!今日の練習は終わりだ!
各自、しっかり水分補給するように!』
赤木の締めの一言で、部員たちが散ちじりになり、着替えに行ったり、水分補給をしたりする。
『三浦』
背後から名前を呼ばれた渚は驚いて変な声を出す。
『ひゃいっ!』
『…驚き過ぎ』
話しかけてきたのは三井で、渚のおかしな返答にクスクス笑う。
『練習、どうだった?』
『なんか、すごくいいなぁって思いました。
バスケってやっぱり大勢でやるものだし。』
『三浦…良かったらさ、このバスケ部の…』
三井が渚をバスケ部のマネージャーに誘おうとした時。
『キミが渚ちゃん!?噂通り可愛いね!』
三井のうしろからニュッと顔を出したのは宮城だった。
『……!!あの…あの…!!』
驚いた渚は恥ずかしそうに後ずさりする。
『そんなに怖がらないで?
俺、三井さんより何百倍も優しいから!!』
『…あっ、はい…』
『敬語なんていいから!タメなんだし!
俺、宮城リョータ、よろしくな!』
『あの…よろしく』
宮城がずいっと差し出した手を、渚が恐る恐る握る。
『(宮城の奴…調子に乗りやがって…!!)』
宮城の背後では殺気を発している三井がいたんだとさ。
続く