第8章 ある晴れた日のこと
『(今まで私のバスケ仲間は楓くん一人だったけど、もしかしたら…)』
次の瞬間、背後の茂みの方から物音が聞こえた。
『(…!?…誰…?もしかして流川親衛隊…!?
だったらこの状況…やばいかも…!!)』
渚が焦って逃げる準備をしていると茂みから人が姿を現した。
『あ……三井先輩』
茂みから現れたのは三井で、渚はホッと胸を撫で下ろした。
だが、三井の方はわなわなと震えていた。
『なんで…流川と…!?
もしかして三浦、流川と付き合って…』
三井が渚と、寝ている流川を交互に見て、恐る恐る聞く。
『えっ!?違いますよ違いますっ!!幼馴染です!バスケ仲間です!』
渚が慌てて目の前で手を振る。
『なんだ…そうなのか…(にしても羨ましいなこの状況)』
『あのー…三井先輩』
『なんだ?』
『今日、バスケ部見に行ってもいいですか?』
『おう、いいぞ!』
『良かった…じゃあ今日の放課後、見に行きますね』
『ああ、待ってる』
『じゃあ、流川親衛隊に見つかるとまずいんで私はこれで』
いつまでもここにいると流川親衛隊に見つかりそうでやばいと感じた
渚は教室へと戻って行った。
『やっぱ…可愛いな』
三井が独り言のように呟くと、寝ていた流川がいつの間にかジト目でこちらを見ていた。
『わっ!?お前、起きてたのかよ!?』
『…先輩、渚の事』
『…なんだよ』
『…なんでもないっす』
三井は、何か言いたそうな流川を置いて中庭を去って行った。
続く