第7章 男子高校生の妄想
『世界が終わるまでは~♪離れる~こと~もな~い♪』
『三井さん、今日は機嫌いいっすね、どうしたんすか』
部活中、やけに機嫌が良く鼻歌混じりの三井に宮城が話しかける。
『よくぞ聞いてくれた!!宮城よ!!』
『(ああ…なんかめんどくさそうだ…)』
『この前言ってた女子が見つかったんだよ!』
『えっ!?マジすか!?
俺はてっきり、三井さんが生み出した妄想の産物だったのかと…』
『お…お前、何気にヒデーな…』
『それでどうなったんすか!?告白したんすか!?』
『馬鹿野郎!!いきなり告白なんて出来るかよ!!』
『三井さんってやっぱりヘタレなんすね…』
『だからお前に言われたくねーっつの…
で、やっぱり彼女もバスケ経験者らしくてさ』
『ほう』
『今度、バスケ部見に来いよって誘った』
『おお!!それで、三井さんのかっこいいとこ見せてアピールするって寸法っすね!!』
『そうだ!というか俺には夢があってな…』
『なんすか、夢って』
『練習後に女子にタオルとドリンクを差し入れてもらうことだ!』
ドーン!!!
三井の背後にそんな文字が出てきそうな勢いだった。
『ちっちゃ!!!』
ズドーン!!!
宮城も三井に負けず劣らずの勢いで返した。
『ちっちゃいってなんだ!!想像してみろ!!
お前は彩子にタオルとドリンクを差し入れてもらいたくねーのか!?』
『………』
宮城妄想中。
『いいっ!!!!』
『だろ?もうそれだけできつい練習も頑張れるってもんだぜ!』
『その夢を叶える為には彼女をバスケ部のマネージャーにするしか…』
『なるほど…というかその子の名前ってなんていうんすか?』
『三浦渚…って言ってたな、二年らしいぞ』
『う~ん…全く知らねえなぁ…そんな子いたかなぁ…』
『まぁ、お前は彩子以外の女は見えてねーんだろ』
三井が半ば呆れたように言う。
宮城も頭をポリポリと掻いて、まあなと言う。
その後、長々とお喋りしていた二人はまたもや赤木からげんこつをくらったという。
続く