第6章 復讐。
琴乃の姿が見えると、
主婦たちはすぐに琴乃の近くに駆け寄ってきた。
「ちょっと琴乃ちゃん!あんたのお母さん大丈夫なの?」
琴乃は彰人に言われていた通り知らないふりをした。
するとおばさん達は少しヒソヒソと自分達で会議をすると、そそくさとその場を離れた。
琴乃は誰も居なくなった自分の家の前に
ペタペタと先ほどの写真を貼り付けはじめた。
「琴乃。」
その聞き慣れないほど冷たい声に体がビクリと波打つ。
振り返るとそこには母が立っていた。
恐らく買い物に行っていたのであろう。
手には買い物袋と恐らく回収してきたであろうあのチラシを持っていた。
「こんな下らないチラシばら撒いてるクズは誰かと思えばあんただったのね。」
母はそういうと琴乃を殴った。
「来なさい。」
「いやっ!!!」
琴乃は腕を掴む母の手を振り払った。
「来なさいって言ってるでしょ!!!!!」
「やめてっ!!!!」
琴乃たちの声に近所の人たちが集まりはじめた。