第6章 復讐。
「これを、うちの近所のポストに入れまくればいいの?」
琴乃の問いかけに彰人はニコニコとして頷いた。
琴乃は手にしている紙を眺めた。
母が数名の男と乱れている姿が映し出されている。
これが合成か、本物かはわからない。
でも、こんなものを近所のポストに入れて行って何の意味があるのだろうか?
確かに常に人目を気にしている母にダメージはあるだろうが、低俗すぎる復讐というか…
正直ノリ気ではなかった。
琴乃は溜息交じりにポストにねじ込んでいく。
彰人は嬉しそうにそんな琴乃を眺めていた。
昼間であるからか、
すぐに騒ぎになりはじめた。
家の付近に差し掛かると
既に何人かの主婦たちが琴乃の家の前で
井戸端会議を始めていた。