第6章 復讐。
「っち」
母は舌打ちをすると、
琴乃の襟部分を掴んで引きずるように室内に連れ込んだ。
「てめぇどういうつもりなんだよ!?あ!?このクズガキが!?!?今までここまで育ててやったのは誰だ!?あ?あたしだろ!?くっそくだらねぇ真似しやがってこのクズクソガギさっさとしねよ!!!!!」
母は聞いた事のない声で聞いた事のないような言葉を吐き出し、手元にあったいろんなものを琴乃に投げつけた。
琴乃は必死に小さくなりそれから身を守った。
「お前なんて生まなきゃよかったお前なんてお前なんてお前なんて!!!!!!!!!!!!!」
その時ドアが開く音がした。
そして母が動きを止めたのがわかった。
琴乃はゆっくり顔を上げると
入ってきた人物が誰かを確認する。
彰人だった。
「やぁ、久しぶりだね?僕が誰かわかるかな?」
「…な…なんで…?」
「ひどいなぁ。僕達婚約者だっただろう?希恵?」
「うそうそうそうそうそ!!!!!何で生きてんのよ!?!?!?!」
母はひどく怯えている様子だった。
「ねぇ、希恵。兄さんと一緒になって幸せかい?」
その彰人の一言に母は発狂したように叫び出し、
琴乃を押しのけて外へ飛び出して行った。