第5章 絶望。
「知りたくない?君が知らない君自身の秘密。」
「私自身の…秘密…?」
「だって謎だらけだろ?なんで私がお母さんに恨まれてるんだろう?って思わなかった?」
彰人はニヤリと笑った。
「え?ちょ、私、あんたにお母さんの話ししたっけ?」
「…あぁ。えーっと優斗が言ってた。」
彰人は少しだけ誤魔化すようにそう言った。
「大体、あんたが何で私の知らない私の秘密知ってるわけ?」
「…さぁね?そんな事勘ぐらないでさ、素直に知りたいって言えよ。…それとも琴乃ちゃんびびってる?」
彰人は琴乃を挑発するように
クスクスと笑い出す。
「びびってない!…じゃぁ、話せばいいじゃない!」
「…そう?」
彰人は後ろの机の布を捲ると一冊のノートを取り出した。
「…何よそれ。」
琴乃はじっとそれを見る。
「ん?俺秘蔵の秘密ノート。」
彰人はヘラヘラとそういうとそのノートのページを捲った。