第5章 絶望。
「なんで?」
琴乃は顔を青くしたまま彰人を睨みつけた。
「そんな睨み付けないでよぉー。ねぇ、琴乃ちゃんってツイッターとかブログとかFBとかやってるよね?」
琴乃はその問いかけに頷いた。
「俺は優斗の友人だし、君のそういうの全部見れるんだよ。他人の秘密好きの俺が見ないとでも?」
彰人は不適にニヤニヤと笑った。
琴乃は思わず顔をうつむけた。
なんだか負けた気になった。
「んで、君の友人の佐野葵ちゃん。君の知らないところで何やってるか知ってる?公園の野良猫に農薬入りのエサ与えたり、道路でひかれてグチャグチャになった動物の写真とかネットにあげたりしてるんだよね。あとね…」
「もういい!!」
琴乃は耐えられずに彰人の言葉を遮る。
「あれ?もういいの?」
彰人はヘラヘラと笑っていた。
「なんで…そんな嫌がらせするの?私に何の恨みがあるの?」
琴乃は目に涙をためて彰人をにらみつけた。
「え?恨み?ないない!…逆だよ?琴乃ちゃん。君を助けようと思ってるのさ。」
彰人はそういうとコーヒーをすすった。