第5章 絶望。
「悪いけど、俺の秘密は今は教えられない。」
彰人はそういうと琴乃の頭をポンっと撫でた。
「他人の秘密はベラベラばらす癖に。」
琴乃がそういうと彰人はいつものようにケラケラと笑い始めた。
「確かにねぇー。まぁ、いずれ俺のことも知る事になるさ。嫌でもね?」
その時の彰人の顔はなんだかすごく怖かった。
「…。」
「で?昨日はなんであんな状態でコンビニまで来たの?」
彰人は琴乃を再び椅子に座らせると、
奥の部屋からコーヒーを持ってきた。
「…別に。」
琴乃はムスっとしたまま喋らなかった。
「え~?秘密ってことぉ?じゃー、おじちゃんが当てちゃおうかなぁー♪」
彰人はそういうと煙草に火をつけて吸い始めた。
「佐野葵」
彰人のその言葉に琴乃は思わず表情を崩した。
「っぷ、琴乃ちゃんわかりやすいね。大正解ってところ?」
彰人はクスクスと笑い出す。