第4章 約束。
部屋につくと葵は大きく溜息をついた。
「ごめんね。お兄ちゃんなの。あれ。」
「…。」
「別に何もしなきゃ害はないから…。いないものとして考えていいから…。前はあんなんじゃなかったの…。」
葵は泣き出しそうな顔をしていた。
「…私のお兄ちゃんがあんなんって…皆には絶対秘密だよ…?」
「…うん。」
何か複雑な事情があるのだろう。
そうはわかっていても、
今の琴乃には少しだけ精神的なダメージが大きかった。
葵には失礼かもしれないが…
"この家"が気持ち悪いと思ってしまった。
ここに一晩泊まる…
それは少し恐怖かもしれない。
今からでも遅くない。
やっぱり優斗の所に戻ろうかな…?
そんな事を考え始めていた。