第1章 小さなきっかけ。
そうだ。
学校が終わったら彼氏の家に行こう。
きっと、今日は大学の授業も昼までだったはずだから
優斗(ゆうと)は家に居るはず。
いきなり行って驚かせてやろう。
琴乃は嬉々としていた。
彼とは最近付き合いはじめた。
彼は大学2年生で琴乃よりも4つも年上だ。
出会いは
SNSで絡んだのきっかけで、盛り上がり、
近所だから会ってみようと会ってみたことだった。
4つも上の彼氏が居る。
そう公言できる事が嬉しくて、
琴乃は彼と付き合っていた。
優斗はカッコイイ方だし、
何より優しい。
別に付き合っていても今の所"困る事"はないのだ。
おそらく琴乃はただただ、
"恋愛している自分"を楽しみたいだけなのだ。
昼までの授業はあっという間に終わった。
でも、決して生徒を遊びに行かせないようにか
大量の宿題が出たのだった。
クラスの大半がブーイングの声をあげた。