第3章 秘密。
「記憶にない…?」
「おう。学部一緒だったらさ、別に仲良くないやつでも、見た事ある程度には覚えてるはずだろ?けど、あいつには全く覚えがないんだよ。2年になって急に現れた…って感じで…」
優斗は頭をポリポリとかいて
考えるように眉間にしわをよせた。
「イメチェンしたとかじゃない…?」
「2年でデビューしたって事か?んー…。けど俺以外の奴はみんな覚えてるって言うんだぜ?なんかそれもおかしくない?」
「…彰人さんは1年の時から同じサークルだったの?」
「ん?あぁ、サークルは今年になって入って来たんだ。つっても、あいつあんまりイベントに参加しねぇけどな。」
優斗は煙草に火をつけて、
はぁーっと白い煙を吐き出した。
ふっと彰人の言葉が頭に浮かんだ。
『あいつの入ってるサークル。何のサークルか知ってる?』
別にただのスポーツをするサークルだってわかってる。
でも、その言葉はなんだかすごく引っかかった。
「あのさ、優斗。優斗って何のサークルに入ってるんだっけ…?」
琴乃のその問いに優斗は不思議そうな顔をした。