第3章 秘密。
しばらく保健室で待っていると
保護者が迎えに来たと言われ、
琴乃はベットから起き上がった。
そこに居たのは優斗ではなく、
彰人だった。
「よぉ!琴乃ちゃん!叔父さんが車でお迎えにあがりましたよーっと。」
彰人はヘラヘラとそういうと、
保健室の先生に一礼し、
琴乃を連れて学校の駐車場の方へと向かった。
「ごめんねぇー、優斗じゃなくて。あいつ車持ってないからさぁー。俺が代わりに迎えに来たってわけ。」
「…そうですか。」
琴乃はそうそっけなく返事をすると、
車に乗り込んだ。
「ま、あいつの家まで楽しくドライブしましょーよ!お姫様ー♪」
彰人はそういうと車のエンジンを掛けた。
車内で彰人は昨日の事を聞いてきた。
琴乃はあえて母の事は喋らなかった。
なんだかこいつの笑いのネタにされそうで
嫌だったから。
彰人と喋っているとあっと言う間に
優斗の家まで到着した。
「ありがとうございました。」
琴乃はお礼を言うと、
車から降りようとした。
その時、また腕をつかまれた。