• テキストサイズ

Fake Love

第1章 プロローグ


鳳くんは優しく笑うと、りさの方へ向きなおした。

「大越さんも、来てくれてありがとう。」
「いえいえー。練習大変そうだね。」
「うん、でも今日はいつもよりサーブの調子がいいよ!」
「さっきのサーブ、すごかったよ!」
さっき試合形式で練習したときに見た鳳くんのサーブは本当にすごかった。

「愛内?」
声のする方を見ると、日吉くんだった。
日吉くんもタオルとボトルを持っている。

「日吉くん、お疲れ様です。」
えみはペコリと頭を下げた。

「ああ。」

「えみー、同じクラスなんでしょ、よそよそしい!」
りさが軽く叩いてきた。

「愛内さんと日吉、同じクラスなの?」
鳳くんは驚いた顔をした。

「うん。一応…」
ちらっと日吉くんを見ると日吉くんもこっちを見ていた。

何か言わないと。

「あの、部長の仕事、大変そうだね。」
「別に…まだ跡部さんには到底追い付けてないし。」

"跡部さん"
その言葉にいちいち反応するのはもうやめたい。

それにしても相変わらず日吉くんは冷たいような。
もしかして嫌われてる??

急にそんな疑惑が浮上した。


「日吉ー、せっかく来てくれてるんだし、そんな言い方ないだろ?」

鳳くんが気を使ってくれた。

「けっ」
日吉くんは水道の方へ歩いていってしまった。


「ごめんね、なんかあいつイライラしてるみたいで。」
「ううん、大丈夫だよ。」

たぶん私が嫌われてるだけだから…
うわーん。
/ 21ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp