第2章 変化
4月のクラスのよそよそしい雰囲気は嫌いだ。
居心地が悪い。でもりさがいてくれたから本当に助かった。
あれから都合が会う日は私とりさと鳳くんと日吉くんという、異色の、そして女子から反感を買いそうなメンバーでお昼を食べている。
日吉くんに関しては無理矢理日吉くんの机の周りに集まって一緒に食べている。
そして一応会話に参加してくれる。
「鳳はクラスの女子に誘われてんじゃないのかよ。」
日吉くんは鳳くんがいることが少し気にくわないみたい。
「うん。でもちょっと…怖くて。」
声が小さくなる鳳くん。
私も大勢の女子に囲まれる鳳くんを見かけたから言いたいことはわかる。
「それに愛内さんたちと食べたいし。」
と言って鳳くんは笑った。
「えみ、顔赤いよー!」
りさがちゃかした。
あんな顔でそんなこと言われたら誰だって顔真っ赤になるよ。
「そ、そういえば鳳くんは委員会入った?」
ちょうど各クラス委員会を決める時期だった。
「俺は文化活動委員会だよ。愛内さんは?」
「私はまた保健委員会。」
保健の先生に『来年もよろしく』と言われてたので選択肢はなかった。
「鳳、お前部活サボって保健室に入り浸るなよ。」
「な、何言ってんだよ日吉。」
鳳くん、照れてる!!!
かっ、かわいい。
「…愛内さん。」
「え、何?」
「あんまりじっと見られてると…その…」
「えっごっごめん!!」
私ったらつい、鳳くんを凝視していた!
「えみったら目は正直だからねぇ。」
「りさ!」
真っ赤になる私を見て鳳くんが笑った。
あれ、日吉くんも、笑ってる?
「愛内って子どもだな。」
「ひ、日吉くん!?」
りさが爆笑する。
不思議なのは、前より日吉くんが怖くないこと。
りさと鳳くんのおかげかな。
この時間が楽しくて、卒業した先輩のことを考える時間はどんどん減っていった。