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Fake Love

第2章  変化



「あー!鳳くーん!同じクラスなのー!よろしくね!!」
鳳くんを見るなり、女子が甲高い声をあげた。女子はみんな鳳くん大歓迎だ。

なんだかそのクラスの他の男子がかわいそう。

「う、うん。よろしく。じゃあ、愛内さん、またね。」

ソプラノの声に囲まれながらも手を振ってくれた。


私は唖然としたままで手を振った。
2年生のときはクラスが離れてたから知らなかった世界なのだろうか。

私とりさと日吉くんは同じ教室に入る。

その点日吉くんは女子に囲まれない、というか囲ませないオーラを出している。

噂で聞いたけど、近づくと"コブジュツ"とやらで吹き飛ばされるとか。


それを聞いたとき、"嘘でしょ~"とは言えなかった。
私も精神的にはもうコブジュツで何度もやられている。


席につくとりさはまくし立ててきた。

「日吉くんは濡れせんべいが好きなんだって!」

1年間同じクラスだった私はそんな話したことないのにりさはそんな情報をもう…

「あー楽しみだわー!これからのえみをとりまく恋模様。」
「は??りさ、なんのこと?」
「まあまあ。そのときのえみにはまだ知るよしもなかった…」
「ちょっと何それ!」

昔からりさはこうだ。
ちなみにりさには他校に彼氏がいる。

だからいろいろ私に口出ししてくる。
それが意外に当たったりするから経験の差って怖い。


「日吉くんと鳳くんとえみの三角関係かー、三冊は書ける。」

今回は当たらないだろうけど。
何を書くのよ。

「変なこと言わないでよ…」

ふと日吉くんを見ると、席に座って本を読んでいる。

二メートルくらい離れたところで女子がキャーキャーしている。


すごいなぁ。
私もコブジュツ習おうかな。

ところでコブジュツって何なんだろう。
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