第1章 大きな一歩*伊月*
「…えっ!?」
聞き間違い?思い違い?
突然の言葉に動揺してしまった。
「…苗字が好きだよ。一生懸命頑張る姿に気付いたら惹かれてた。俺のダジャレにけらけら笑ってくれるのも嬉しくて。」
「…私は初めて伊月先輩がバスケしてるの見た時からずっと好きですよ。」
同じ想いだったんだ。
心が何だか暖かい。
お互い顔を見合わせて、微笑みあった。
「…キスしていい?」
「…お願いします。」
目を閉じると、ゆっくりと唇が重なっていった。
伊月先輩の腕の中は暖かくて、何だかとても安心した。
頭をぽんぽんと撫でてくれて、どんどん気持ちが落ち着いていく。
何だかいい香りもする。
私、今本当に幸せです。
ありがとう。