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黒子のバスケ*Short Stories

第1章 大きな一歩*伊月*


外に出ると、皆がバーベキューをしていた。

そういえば、最後の夜はバーベキューするって言ってたな。

伊月先輩と二人、手を繋いで穏やかな表情をしていたから
皆は何となく察知していたようだ。

「むっ!肉の臭いが憎らしい!キタコレ!」

「ぷっ…はははっ!」

相変わらずなんだから。でもそんなところも大好きですよ!

「伊月もうお前本当それやめて!苗字、ちょっとこっち来いー。」

日向先輩に呼ばれて隣に腰掛けると、こっそり耳打ちしてくれた。

「伊月はな、お前が入部してきた時からずっとこういうところが可愛いとか、彼女になってくれないかなーとかうざいくらいに俺に言ってたんだぞ。」

「伊月くーん!協力してあげたんだから、何か奢ってよー!」

リコ先輩がまた教えてくれた。

伊月先輩が私と二人きりになれるように、日向先輩と協力していたこと。

私が倒れた時、一番早く私のところに駆け寄って部屋まで抱きかかえてくれたこと。

ただの後輩から恋人へ。

大きな大きな一歩。
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