第8章 NOTE*水戸部*
高校を卒業して、大学生になって、それから社会人になって。
私たちのお付き合いはもう8年となった。
もちろん、会える回数は高校生の時に比べたら大分減ってしまった。
だけど、今でも交換日記は続けている。
たまに、ふと思い付いたことや書き留めておきたいことを書いて、次に会った時に相手に渡すという感じになった。
今日は久しぶりのデート。
仕事帰りでスーツ姿の凛くんが優しく微笑んで待っていた。
お互い大人になったけれど、彼の優しさや心配りは長く付き合ってても全く変わらなかった。
デートの帰りは彼のお家に寄るのが定番になっていた。
就職と同時に彼は一人暮らしを始めていた。
「久しぶりだなー。凛くんの部屋。」
そうだねと、にこっと微笑むと凛くんは何かを冷蔵庫から出してきた。
「…あ!シュークリームだ!」