第8章 NOTE*水戸部*
凛くんと私の交換日記が始まった。
内容は本当に他愛もないこと。
「凛くんもうすぐ試合だね。応援に行ってもいいかな?」
「勿論。名前が来てくれたらもっともっと頑張れる。」
日記ではちゃんと私のこと名前で呼んでくれている。
それだけでも嬉しい収穫だった。
「次の日曜日部活休みになった。名前と一緒にいたいんだけど、どこか行きたいところはある?」
「ほんとに!?私は凛くんと過ごせるならどこでもいいよ!じゃあ凛くんの家でお菓子作りたいな♪この前持ってきてくれたシュークリーム美味しかった!」
「ありがとう。名前は美味しそうに食べてくれるから、俺も嬉しくなる。」
素直な凛くんとのやり取りで、私もつられて素直になっていったような気がする。
それだけ、彼は私の心を暖かくしてくれる人だった。