第1章 大きな一歩*伊月*
4泊5日の合宿4日目。
実質明日は帰るので、今日が練習に集中できる最後の日。
だけど、朝からどうも体調が良くない。
慣れないことをしているから、体が疲れてきているのかもしれない。
でも万が一気付かれて心配かけちゃいけない。
浜辺でいつも通り声だしをしていた。
ジリジリと強い日差し。
今日に限って、最高気温は35℃超え。
「苗字!もう1球ボール投げて!」
日向先輩の声が聞こえ、ボールを投げようとした瞬間。
目の前が真っ白になった。
立っていられなくなり、その場で座り込んでしまった。
意識が遠退く。
「苗字!」
…伊月先輩?