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黒子のバスケ*Short Stories

第51章 頑張りすぎる君だから*伊月*


ベッドに入り、体を起こして本を読みながら名前を待つ。

すると、ぺたぺたと聞き慣れた彼女の足音が近付いてきた。

少しだけ濡れた髪に上気した頬で、部屋着に着替え現れた彼女は、ドアの前に立っていた時よりも随分柔らかい表情になっていた。

「俊くん、ごめんね?突然会いたいなんて言って…。」

泣き出してしまったのが恥ずかしくなったのか、少し遠慮がちに俺に声をかけた。

「そんなのいいって。…ほら、おいで。」

布団を捲りながら彼女を呼ぶと、嬉しそうに頷き俺の隣に体を滑り込ませた。

右腕を伸ばすと、彼女は慣れたように頭を乗せ、俺に体をくっつける。

そんな彼女を守るように抱き寄せた。

「おやすみ、名前。」

「おやすみなさい。…俊くん、ありがとう。」
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