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黒子のバスケ*Short Stories

第51章 頑張りすぎる君だから*伊月*


家に着き、軽く食事を済ませ、しばらくすると携帯が震え名前からメールが届いた。

「今から行くね。あと30分くらい。」

時計を見ると短針が10を少し通りすぎて指していた。

「お疲れ様。早く帰っておいで。待ってるから。」

返事を送って、ふぅっと息をついた。

最近大きな仕事を任されるようになってきたと、彼女が複雑な表情で話していたことを思い出す。

どうしてそんな表情なの?と尋ねてみると、「認めてもらえたのは嬉しいけれど、責任が増えたから」とぽつりと溢していた。

滅多に弱音を吐かない彼女の小さな呟きは気にはなっていたが、自分もその時仕事が立て込んでいてあまり余裕がなかった。

今になって彼女の些細な言葉に触れてやれなかったことを後悔する。

早く顔が見たい。

抱き締めてやりたい。

甘えさせてやりたい。

いつも頑張る君だから。

我慢ばかりしてしまう君だから。
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