• テキストサイズ

黒子のバスケ*Short Stories

第51章 頑張りすぎる君だから*伊月*


仕事も終わり、会社を出て携帯を見ると名前から一通のメールが入っていた。

「俊くんに、会いたい。」

お互い社会人になり、平日はそれぞれ仕事に追われているので、週末に二人でゆっくり過ごすのが暗黙の了解になっていた。

今日は金曜日とはいえ、平日。

仕事の付き合いもあるだろうからと気を遣って、彼女は平日に「会いたい」なんて言葉は口にしない。

俺は携帯に彼女の電話番号を表示させ、通話ボタンを押した。

呼び出し音が数回鳴ると、彼女の声が少しいつもと違って聞こえてきた。

「…俊くん?」

「名前、メール見たよ。今日家おいで。仕事は終わったか?」

「あとちょっと…。もうすぐ出れると思う。」

「そっか。じゃあ待ってるからな。…あんまり無理するなよ?」

「…ありがと。また連絡するね。」

電話を切り、俺はますます彼女のことが心配になった。

明らかに声の温度が下がっていた。

早く彼女に会いたい。

笑顔が見たい。

俺は様々な思いを巡らせながら、家路へと急いだ。
/ 445ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp