第49章 ボーイズトーク*黒子*黄瀬*伊月
<黄瀬>
彼女がカントクに呼ばれたので、黒子はまた黄瀬と伊月のところへ合流した。
「そういう黄瀬くんは彼女さんとどうなんですか?確か…海常の女子バスケ部の方ですよね?」
「へー…、なんか意外だな。黒子よく知ってるな。」
「黄瀬くん、彼女が出来たとハイテンションで電話をかけてきたんです。」
「だって黒子っちには報告しなくちゃと思ったんスよ!」
真面目な顔で迫ってくる黄瀬の顔を、黒子はぽかんと傍観している。
「はぁ…。それでその彼女はどんな方なんですか?」
「うわ…スルーした。…!するするとスルーするスルメ!キタコレ!」
「もー!二人とも聞いてくださいっス!彼女はすごい頑張り屋さんっス。いつも練習の後に最後まで自主練してて、俺も一緒にやってシュート見てあげたりして。背が高いの気にしてるんスけど、それもまたかわいくて。でも俺が横にいるとそんなの関係ないんスけどね。」
彼女の話をする黄瀬は、少し照れながら顔をくしゃっとさせて笑っていた。
自分達に向けられる屈託のない笑顔でも、ファンへ向けられる営業用のスマイルでもない、黄瀬の顔を見て、黒子は少しだけ嬉しくなった。
「黄瀬くんが前と少し雰囲気が変わったのは彼女のおかげかもしれないですね。」
うんうん、と伊月も頷き、言葉を続けた。
「相乗効果ってやつかな。今日は来られなかったのか?」
「先約があったみたいで、すごい残念がってたっス。そんな夢みたいな試合観たい!って。」
その時、黄色のカバーが付けられたスマホから音楽が流れた。
「黄瀬くん、携帯鳴ってますよ?」
「あ、ほんとだ。ちょっとスミマセン…。」