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黒子のバスケ*Short Stories

第47章 1st Anniversary*高尾*


左手に目を移すと、薬指にシンプルな銀色の指輪が光っていた。

「ベタだけどな。うち校則きついから、休みの時とかしかつけれねーけど。」

ちょっと照れ臭そうに、薬指が光る自分の左手を私に示した。

「…十分だよ。忘れられてると思ったのに、まさかこんなものもらえるなんて…!」

嬉しくて胸が熱くなって。

さっきまでの憂鬱は一気に吹き飛んだ。

「マイナスからの方が反動でめちゃ嬉しくなるんじゃないかって思って、真ちゃんにも協力してもらっちゃった。」

「嬉しい…!和くん、ありがとう!」

幸せが満ち溢れて、今までの思い出が甦る。

ここで、よく他愛もない話をして。

ここで、彼から「好きだ」って言われて。

ここで、初めて手を握って。

ここで、初めてキスをした。

彼が今日はここに来たかったっていう意味がようやくはっきりとわかった。

「名前ちゃん、…あのさ。」

彼は私の両手を覆うように手を重ね、真っ直ぐに私の目を捉えた。

「俺、去年の今日よりももっと名前ちゃんのこと好きになってんだよ。いいとこも悪いとこも全部ひっくるめて、俺とこれからも付き合ってください!」

何も言わなくても、全て気持ちを見透かされていそうな彼の目。

でもその目を逸らさずしっかりと見つめた。

「私も1年前より和くんのこと大好きになってるよ?こちらこそ、これからも宜しくお願いします。」

彼がくれたサプライズは、私をドキドキさせてもっと彼を好きにさせる。

来年の今日は、今よりももっと彼を好きになる。


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