第46章 9月11日*小金井*
水戸部くんのメモを信じて、私は学校が終わった後ケーキ屋さんに向かった。
荷物にならないようにあんまり大きくなくて、でも特別美味しそうなやつがいい。
携帯で調べながら数件巡り、彼へのプレゼントを用意した。
それから学校へ戻り、体育館をちらりと覗くと、まだバスケ部が練習中だった。
彼にプレゼントを渡して、ちゃんと「おめでとう」って言う。
…それ以上は?
答えが出せないまま、体育館を上から見下ろせる渡り廊下で彼を待った。
あの日と同じように時計の短針が7を指そうとした時。
バスケ部の部員が片づけをしている様子が目に入った。
…どうしよう。
体育館のそばで待ち伏せして気味悪がられるのも嫌だし、校門前で待って他の部員の方に見られるのも恥ずかしい。
渡り廊下で縮こまっていると、話し声が聞こえた。
「あー!今日もきつかったー!!水戸部ー!帰りどっか寄ってく?」
小金井くん。
たぶん一緒にいるのは水戸部くん。
今しかない!