第44章 初デート*青峰*
目を輝かせながら火神くんとバスケをする大輝を眺めていた。
出会ったばかりの頃の自分しか信じないバスケをしていた彼からは想像できない。
「あの…。名前さんでしたっけ?」
隣に座っていた黒子くんが私に小首を傾げて問い掛けた。
「そうだけど…何であたしの名前知ってるの?」
彼にとっては私はあくまで桐皇のマネージャー。
せいぜい知っていても名字のはず。
「青峰くんからメールが来ました。名前っていう彼女が出来たって一言だけ。」
「え?大輝が!?」
「…それほど嬉しかったんじゃないですか?」
大輝が私と付き合えて嬉しくて、ついつい黒子くんにメール!?
想像するだけで可愛くて、同時に私の想いが一方通行ではなかったんだと実感できて嬉しくなった。
「気付かれる前に二人に気付いていたんですが、すぐわかりました。…青峰くんの表情がいつもより柔らかかったので。」
私にしかしない表情。
正直自分では気付かなかったけど、大輝と中学時代一緒に過ごした彼の言うことなら間違いないと思う。
黒子くんがふわりと微笑むので、私もつられて微笑んでしまった。