第44章 初デート*青峰*
「おい!青峰!もう1回!」
どうやら黒子くんと話し込んでいる間も、大輝は圧勝していたらしい。
「はぁ?いーよ、もう。彼女待たせてんだよ、こっちは。」
「彼女」と初めて呼ばれて何だかとてもくすぐったくなった。
「また今度やろーぜ。」と黒子くんと火神くんに別れを告げ、帰路に着いた。
「さっき黒子くんからいいことたくさん聞いちゃった。」
「は!?」
「メールのこととか?」
「テツ…!言うなよ…!」
顔を真っ赤にして怒る顔も、いつもの余裕綽々の表情とは全く違う。
「あたしね、正直自信なかったんだ。自分ばっかり大輝のこと好きなんじゃないかなって。でも…」
言い終える前に、急に腰を強く引き寄せられ抱き締められた。
「…俺だって余裕ねぇよ。お前のことずっと好きで、やっと手に入ったんだし。がっついて引かれんのも嫌だったんだよ。」
「初めてあたしのこと「好き」って言ってくれたね?…嬉しいな。」
「…好きだ。」
耳元でそう囁くと、大輝の唇が私のそれに触れた。
何度か唇を重ねると、彼は熱い眼差しで私を見つめた。
きっとこんな顔、私しか知らない。
「もう我慢しねーぞ?」