第44章 初デート*青峰*
11時48分。
待ち合わせ10分前に到着予定。
服装は悩んだ末に、シフォン素材にレースがあしらわれたトップスにショートパンツ。
どうせ大輝のことだし、遅れてくるんだろうな。
「あれ…?」
待ち合わせ場所の駅の改札の辺りに、まさか。
青髪の短髪。
人並み外れた長身。
夏でもないのに日焼けしたみたいに色黒の肌。
黒いカーディガンに白地のTシャツ、ジーパンにスニーカー。
女の子たちがチラチラ彼の方を見てる。
外に出て客観的に見ると、やっぱり大輝って格好いいんだなって改めて思う。
「大輝!ごめん、あたし時間間違えちゃった?」
慌てて彼の元へ駆け寄った。
「お、名前。いや、俺が早く来過ぎただけ。」
大輝が私を待っててくれたなんて!
それだけでも何だかじんわり嬉しくなってくる。
「お前…。」
彼が私の顔より下に視線を落とし、何かを言いかけた。
「何?」
「いや…何でもねぇよ。…とりあえずメシ行くか。」
彼は一瞬目を背け、一呼吸置くと私に笑顔を向けてくれた。