第43章 甘い時間*紫原*
翌日。
私が彼を連れてきたのは、最近人気だというケーキバイキングのお店。
ケーキはもちろん他のスイーツも美味しいと評判の個室カフェ。
実は、オフが決まってすぐに予約を入れていた。
敦は、大体デートプランを聞いてみても「名前ちんに任せるー。」か「お菓子食べたいー。」としか言わないから。
お店に入ると、たくさんのカラフルで可愛らしいケーキやスイーツが眩いほど光を放っていた。
「うわぁ……!」
敦の方を見ると、まるで宝物を見つけたかのように瞳を輝かせている。
席に案内され、説明を聞き終わると同時に敦はケーキ目掛けて飛び出した。
「ケーキどれも美味しそうー。あ、これも食べよーっと。」
「敦、あっちにチョコフォンデュあったよ。」
「えー!やりたいー!」
2mを越える男の子が女の子だらけのケーキバイキングではしゃいでいるのは、中々の違和感。
だけど、私にとってはそんな敦が可愛くて堪らない。