第43章 甘い時間*紫原*

テーブルにはたくさんのお皿が並べられている。

私の分はお皿1枚分。

それ以外は全部敦の分。

「敦…どんだけ持ってきたの！？」

「えー？とりあえず迷ったから全部持ってきたー。」

「…ま、いっか。いただきます、しよ？」

「うん。いただきまーす。」

ケーキを口に運ぶと、一気に幸せな気持ちが広がった。

「おいしーい！幸せー！」

「うん、おいしいねー。」

いつもよりも彼の食べるスピードがゆっくりなのと、スイーツを食べるごとに嬉しそうに微笑むのを見ると、相当満足しているみたい。

「あ、名前ちんもそれ取ったんだねー。」

彼が指したのは、レアチーズケーキ。

生地にもブルーベリーが練り込まれていて、綺麗な薄紫と白のマーブル模様になっている。

一粒のブルーベリーとミントで飾り付けされていて、濃い紫色のブルーベリーソースが鮮やか。

「うん。だって…敦みたいだな、と思って。」