第42章 カウントダウン*笠松*
ミーティングも終わり、解散となった。
「あれ?名前センパイ帰んないっスか?」
「あ、私お迎え待つから残るね。」
一番最後の黄瀬と一緒に笠松先輩も部屋を出ていった。
呼び止める余裕と勇気はなかった。
見送ると同時に足の力が抜け、へたりと座り込んでしまった。
ぼろぼろと大粒の涙が瞳からこぼれ落ちて止まらない。
「…っく。…う、あ……っうぐ。」
この日が来ることなんて、わかっていたはずなのに。
明日から体育館に行っても先輩はもういない。
きっとこのまま卒業式を迎えて、繋がりもなくなってしまう。
「かさ…ま、つ……せ、ん……ぱいっ…。」
すると扉が勢いよく開き、覆われるような感触に包まれた。