• テキストサイズ

黒子のバスケ*Short Stories

第42章 カウントダウン*笠松*


笠松先輩が目標としていたIH優勝の夢は叶わなかった。

桐皇に敗れたあの日。

私は先輩がいないことに気が付き、控え室まで戻った。

すると、微かに泣いているような、悔いているような声が聞こえてきた。

中に入る空気ではなく、その場で立ち尽くした。

「…苗字、お前何で…。」

扉が開くと、目を赤くした笠松先輩が目を丸くして私を見つめた。

「…気持ちを全部わかることは正直私には難しいです。でも、その気持ちを分かち合うことは出来ると思うんです。」

「…悪い。」

「チームを、もちろんキャプテンを陰で支えるのがマネージャーです。」

「…そうだな。」

それ以上は何も言わなかった。

私は1年生の時も同じ光景を見ていたから。

涙を流して一人で悔やむ笠松先輩に、その時の私は声をかけることが出来なかった。

だから、せめて先輩が思いきり泣けるように、どんなことがあっても泣かないって決めた。

チームを、先輩を支えたいから。

今回が日本一になるラストチャンス。

明日はいよいよ、誠凛との準決勝。
/ 445ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp