第42章 カウントダウン*笠松*
第一印象は「一番恐い先輩」だった。
笠松先輩に叱られて、小堀先輩がフォローしてくれて、森山先輩たちが励ましてくれる、というのが定番だった。
ただ、叱られた事がきちんと出来るようになると、必ず少しだけ褒めてくれた。
「…やれば出来るじゃねーか。」
褒められると何だかくすぐったくて、嬉しかった。
それから先輩のことが色々わかるようになってきた。
他人にはもちろん、自分にも厳しいこと。
PGとしても、人としてもとても視野が広くて周りがよく見えていること。
…女の子が苦手なこと。
加速する想い。
だけど、ずっと伝えられずにいた。
「次のキャプテンはもう決めたんですか?」
「大体はな。でもお前が男だったら、絶対お前を次のキャプテンに推してた。」
「え!?」
まさかそんな言葉聞けるなんて。
それだけ信頼されているということはすごく嬉しかった。
だけど…女としての私は?
先輩にとってはどんな存在なの?