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黒子のバスケ*Short Stories

第40章 Home Sweet Home*木吉*


「ただいまー。…名前?」

あ、今鉄平の声が聞こえたような気がした。

だけど眠気で微睡んでしまって、いつもみたいにお出迎えが出来ない。

リビングで待っているうちに、知らない間に寝ちゃったみたい。

目は閉じてるけど、鉄平の足音や物音はちゃんと聞こえるし、気配を感じる。

足音がだんだんと近付いてくる。

「…ただいま。」

優しい声と頭を撫でてくれる大きな手の温もりが心地いい。

「寝ちゃったのか…。しょうがないな。」

ふわりと体が持ち上がるような感覚になった。

実はこのうつらうつらしている状態での鉄平のお姫様抱っこが大好き。

同じ洗剤を使っているはずなのに、日だまりみたいな鉄平の香りがする。

たまにこうして寝てしまうと寝室まで連れていってくれる。

「名前、起きてるんだろ?お前がこれ好きなことくらいわかってるよ。」

「…バレてた?…お帰りなさい。」

私は観念して目を開けて、鉄平の首に腕を回して抱き付いた。

「おかえりって言ってくれないと寂しいだろ。」

今日私が思ったことと同じこと考えてたんだ。

「やっぱり夫婦って似てくるのかなぁ。」

「え?名前背でも伸びたのか?俺に似てきたか?」

「…そんなわけないでしょ。」



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