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黒子のバスケ*Short Stories

第40章 Home Sweet Home*木吉*


「ただいまー。」

残業で遅い帰りとなってしまった。

当然、家の中は静まり返っている。

誰もいないのかわかってても、ついつい「ただいま」と言うのは癖になってしまった。

「鉄平、今日は飲み会だもんね。」

冷蔵庫を見て、適当にあるものを食べる。

もちろん、結婚してから何度もお互い飲み会やランチなどで家を空けることはあった。

でも今日は何だかとても寂しい気持ちになった。

携帯が震えたので、見てみるとリコ先輩からメール。

「鉄平がほろ酔いで名前ちゃん可愛い可愛いってずっとのろけてまーす( ´△`)」

添付された写メを見ると、頬を赤らめた鉄平と多分「だアホ!」と言っているような表情の日向先輩。

やっぱり仲良しなんだなって微笑ましい気持ちになった。

「メールありがとうございます。鉄平がご迷惑おかけしてすみません(>_<)楽しんでくださいね!」

メールに返信して、時計を見るともう22時を過ぎていた。

寂しい理由は何となくわかっていた。

結婚して半年。

最初はときめきを感じていた二人暮らしにも慣れてきた。

慣れてきて一緒にいるのが当たり前になったからこそ、一人になると余計に寂しさを感じてしまう。

「ふぁぁ…。」と大きなあくびを一つ。

朝早く起きているのと仕事が長引いたので急に眠気に襲われた。

いつも鉄平は夜遅くなる時は先に寝てていいからなって言ってくれる。

「いやいやいや。待ってるんだから。」
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