第39章 夏の終わり*高尾*
お昼ご飯も食べて、電車に乗った。
「電車でお出掛けなんて久しぶりだね。」
「そうだな。いつもチャリだもんね。」
私は徒歩通学、和成はチャリ通学。
たまに二人乗りして帰ることもある。
「名前、顔にやけてんぞー。彼氏冥利に尽きますわ。」
「えっ!そんなに出てた!?…恥ずかしい!」
思わず両手で顔を覆う。
久しぶりのデートが楽しみ過ぎて隠しきれなかったみたい。
ふと、彼の方を見ると彼も満面の笑みを浮かべている。
「人のこと言えませんよ、和成くん?」
「ありゃ、バレてた?」
和成の周りをぱぁっと明るくさせる笑顔、大好き。
すぐ調子に乗るから言わないけど。
「名前、もうすぐ見えてくるぞー!」
「え?」
そう言われて窓の外に目をやった。