第38章 8月31日*青峰*
「大輝ー。準備できたよー!」
リビングから彼を呼ぶ。
一人暮らしのお部屋なので、扉一枚隔てれば寝室だから。
扉が開くと、目を丸くして立ち尽くす大輝の姿があった。
「…すげぇ。」
「大輝お誕生日おめでとう!座って座って!」
彼が驚くのも無理はない。
テーブルには、いつもよりも少し豪華なメニューの数々。
彼の体調次第で変えられるように、全力のパーティーメニューは出せなかったんだけど。
テーブルの真ん中の丸いバースデーケーキだけは外せなかった。
「うめぇ!」
やっとこの顔が見られた。
眩しいくらいの、大好きな大輝の笑顔。