第37章 Lunch Box*青峰*
ある日の練習後。
大輝は女子から差し入れをもらったらしく、私の目の前でもりもり食べている。
本当にデリカシーがない。
バスケ部のエースで、最強のスコアラー。
女の子達には王子様のように見えているらしく、彼は何気にモテる。
「あ?食いてぇのか?」
「…いらない。」
ぷいっとそっぽを向いてむくれる私にさすがの彼も気付いた。
「何で拗ねてんだよ。」
「私以外の女の子からのもの、彼女の前で食べるんですねー。」
「うっせぇな。動くと腹減るんだよ。」
だめだ。
これ以上拗ねたら大輝をイラつかせる。
「そうだね…。」
納得したふりをしても、やっぱり声色は正直だった。