第37章 Lunch Box*青峰*
すると、はぁっと大輝が一つ溜め息をついた。
何だか気まずくなって俯いてしまった。
怒らせちゃったのかもしれない。
「腹減ってたから食った。それだけ。」
わかってるよ。そんなの。
「やっぱ名前のが一番美味い。」
思いがけない一言に驚いて彼の方を見た。
「いつも当たり前みてぇに食ってるけど、こうやって比べるとわかるもんだな。」
「…えへへ。ありがとう。」
「お前に機嫌損なわれて、弁当作ってもらえなくなるの困るしな。」
「ちょっと!…もー!」
すぐ悪態をつく彼。
思わず腕をべしっと叩いてしまった。
それでもあの言葉は魔法のようで、私の心をふわふわと浮わつかせた。
彼の表情や言葉で私は嬉しくなったり落ち込んだり忙しい。
とりあえず機嫌も直ったし、明日のお弁当は大輝の好きなおかずばっかり入れてあげよう!